LEICA APO-SUMMICRON-M 90mm F2 ASPH.

今朝届いたレンズは LEICA APO-SUMMICRON-M 90mm F2 ASPH.、Mマウントのアポズミクロンの中では一番最初に出たレンズで今も現行モデルとして販売されています。f:id:fclifetokyo:20210528141918j:plain
私の手元にやってきたのはシリアルナンバーから調べて1998年製。その年代であれば本来レンズ識別用6bitコードがマウント面についていませんが、この個体は後にライカ社にて6bit付きマウントに交換されていますから、EXIF情報にレンズ名が付加され、必要な補正も自動で適用されます。
元箱、レンズケース、ドキュメント類すべて揃っていて、几帳面なオーナーさんの元にあったと推測されます。f:id:fclifetokyo:20210528141859j:plain
アポズミクロン3兄弟は、大きさ、重さこそ違えど、絞りリング、ピントリング、内蔵フードの意匠が共通、交換しても違和感なく操作できるのが素晴らしいと思います。メルセデスのCクラス、Eクラス、Sクラス、どれに乗ってもボタンやレバー配置が共通で違和感なく運転できるのと似ていますね(註:Eクラス、Sクラスを所有したことはありません、笑)。f:id:fclifetokyo:20210528142030j:plain
フード格納状態f:id:fclifetokyo:20210528142055j:plain
フード繰り出し状態f:id:fclifetokyo:20210528142116j:plain
さっそく試写
アポズミ50mmのイメージから、アポズミ=超高解像と思っていると拍子抜けするかも知れませんが、50mmより前に出た90mm、75mmはことさら超高解像というわけではありません。それぞれ、SUMMICRON 90mm、SUMMILUX 75mmから小型軽量化を果たした高性能レンズという位置付けだと思います。従って、50mmは新品を購入しましたが、75mmと90mmは今の新品価格は割に合わないと思い、上程度の中古品を選びました。
さて、APO-SUMMICRON-M 90mmは90mmという焦点距離もあって、最短1m近くでF2開放ではかなりピント面が薄く、内蔵距離計でのピント合わせは無理でしょう。また、50mmのような開放からパキパキに解像するレンズではないので、1段2段絞った方が良いと思います(50mmや新しく出た35mmはライカ自身が「絞るな」と言っています、笑)。私は近くでお花を撮るならF2.8が好ましいと思いました。f:id:fclifetokyo:20210528142214j:plainf:id:fclifetokyo:20210528142244j:plain
一方で遠景であれば絞っても絞らなくても解像はあまり変わりません。さすがアポズミだけあって、F2開放でも隅までしっかりと解像してくれます(左下を拡大してみました)。被写界深度を変える目的だけでF値を決めればOKだと思います。f:id:fclifetokyo:20210528142331j:plainf:id:fclifetokyo:20210528142355j:plain到着するまでは、重さと大きさで持ち歩くのが嫌になるかもという心配がありましたが、50mm 295g、75mm 429g、90mm 468g(キッチンスケールによる実測)となんとか許容範囲、フード内蔵で全長も短いので、なかなか考えられた90mmだと思います。気に入りました。